気仙沼、北上、花巻、仙台へ
11月後半の連休、気仙沼大島に行った。以前の勤務先の先輩で、震災後三陸の事業者さんをサポートしている方が、毎年行っているチューリップ植えのお手伝い。11月に東北を訪問するのは初めてで、雪にならないかハラハラしながらの毎日だった。お天気の良い日の昼間は暖かいけど、夜は4度とか5度まで下がるし、ちょっと寒い日は山間を走ると3度、4度で車のアラームが鳴る。
気仙沼でまるずわいがに (Deep Sea Red Crab) 商品を作られている「かに物語」さんを訪問する。自社で商品開発をされているが、新商品が徐々に増えていく。わたしは、ビスクを中心としたブイヨンベースの商品が大好きだ。まるずわいがにという貴重な商品を使って美味しいスープをとっているからこそ、色々な商品を開発できるのだと思う。昨年、お友達のパン職人・邦子さんが作ったパンリースをお送りしたら、お店に飾ってくれていた。
気仙沼から花巻に移動する。花巻や北上を訪問するときはいつも、東和のフォルクローロに泊まる。温泉があって、普通の定食がめちゃくちゃ美味しい。この辺りで美味しいのはなんといっても豚肉だが、その日は珍しくメニューに出ている花巻ぶだう牛のハッシュドビーフにした。岩手のワイナリー(エーデルワイン)で出るぶどうの搾かすを食べて育った黒毛和牛。数時間前まで、気仙沼であがった本マグロ、メバチマグロ、帆立、タコと海の幸三昧だったのに、数時間移動しただけですっかり山の文化になっている。ここ花巻では宮沢賢治のことを「賢治さん」と呼ぶ。「ぶだう牛」は、その賢治さんの「黒ぶだう」からとったそうだ。
(東和のフォルクローロはパブリックスペースが素敵。食材に関する本がたくさん並ぶ。)
翌日、雨模様の岩手はとても寒かった。盛岡は雪が降ったそうだ。
北上・真木沢の、まきさわ工房さんを訪ねる。来年1月には新しい工場に移転するとのこと、山間のこの工場を訪ねるのは今回が最後になるだろう。2014年度もドイツソーセージの3部門で金賞を受賞したそうだ。来年から、従来の商品に加えて新しい商品も取り扱わせていただくことになった。
(粗挽きソーセージ、焼豚、プレーンソーセージで金賞を受賞。焼豚はやさしい味付けでとても美味しい。)
わたしは、華美なパッケージにはあまり惹かれないので、作り手さんのパッケージについてもわりと質素なままでいいと思っているんだけど、お遣い物用の商品シールをもらったので、帰京後にお遣い物のセットに貼ってみたらとても素敵だった。
花巻でちょっとだけ時間があったので、ずっと行きたいと思っていた「日本ホームスパン」を訪問する。羊毛の織物。フォルクローロのお土産コーナーに何点か並んでいて、いつもいいなぁと思っていた。羊が一匹うちにやってきた。(この子にあわせて高さのある裁縫箱を用意しなくては。。。)
花巻の銀河の里を訪問する。里の理事長は宮沢健さんという。もう2年以上前になるが、最初に訪問したとき「もしや賢治さんのご親戚ですか」と伺ったら、まったく関係ないそうだ。
銀河の里も、商品が徐々に増えている。新しい焼売や、りんご商品。ここはお惣菜を作るだけでなく、田んぼやりんご園、野菜のハウスを持っている。本当に「里」という場所だ。
今回の訪問は、ずっとやりたいと思っていた新商品の共同開発のご提案。岩手には美味しい素材がたくさんある。そして、銀河の里はお惣菜をとても丁寧に美味しく作る。北の玉手箱が都会のニーズを汲み取って、素敵な商品ができればいいなと思う。
(りんご園での米澤さんの写真は去年の9月。今は寒くてとても半袖ではいられない。)
翌日は花巻も雪になるという予報が出ていたから、銀河の里を後にしてすぐ仙台に移動する。
そしてその翌日、仙台は幸い雪にはならなかった。十三浜わかめを卸していただいているのりちゃんを訪問する。わたしが北の玉手箱を始めたのは、のりちゃんに会ったことが大きいと思う。見た目は全然違うのに(のりちゃんは「レディ」という感じ。最近のわたしは「ガテン系」と言われる)、乗る車が全く一緒(でも色違い)というのが面白い。なんと以前の車も全く同じ車種だった。
十三浜のわかめは、肉厚でとても美味しい。わかめの生産者である佐々木さんのところではめかぶ商品を出していないけど、東京ではとても人気がある。めかぶ、やれないかな。人手が問題なのかな。だったら手伝いに行こうかな。来年の春に向けて、やれる方法を考えてみようと思う。
東北は冬が始まった。雪道の運転ができないわたしが、冬の間に東北を訪問するのは難しいだろうけれど、来年に向かってやること、やりたいことがたくさんあると再確認した訪問だった。