okatte 商店街と、東北食材でスペイン料理を楽しむ夕べ
10月は、初めてのことづくしの月だった。
「okatte商店街」は、何らかの商いをやっている okatteにしおぎのメンバーが、月1回 okatteにしおぎにお店を出すというもの。10月に始まったばかりの試みで、様子見をしようか迷ったけれど、とにかくやってみようと出店してみた。東北の食材を使って、季節感があって、体にいいもの。初回の今回は、十三浜わかめを使って「きのこのポタージュ チャウダー風」を出品。31食、無事完売。いろいろ改善点はあるけれど、やらないでうじうじするのではなく、やってみて「次はこうしよう」と思えるのはすごく良かった。
そして、「東北とスペインは似ている」という妄想が発端になって企画した「東北食材でスペイン料理を楽しむ夕べ」。20名のお客さまをお呼びして、北の玉手箱の食材を使ってスペインの家庭料理をお客さまにふるまい、東北とスペインを身近に感じていただくイベント。以前通っていたスペイン語学校の校長先生に協力をお願いし、料理上手の友人たちにも協力をお願いして実施するというプロジェクト・マネジメントの面でもチャレンジだった。
季節感があって、食材のよさが生きるヘルシーなメニュー。スペインの家庭料理でありながら、日本で暮らすわたしたちにとってハードルが高すぎずに、家で作って食べられるレシピ。美味しくておもてなし感を感じていただけて、かつ予算内に収まるメニュー。メニューを考えてくれた友人も大変だったと思うが、喧々諤々議論を重ね、試食会を行い、これじゃダメだねとレシピを見直し、たどりついたメニューはこうなった。
チョリッソとバナナのカナッペ。ピリッとした辛みとバナナの甘みが絶妙な組合せ。簡単なメニューなのだけど、生チョリッソ(解凍するとぐにゃぐにゃになる)をどうやって調理して切るかが大きな悩みの種だった。
チョリッソの入ったスペイン風オムレツ。卵とジャガイモとチョリッソがいかにしっとりと融合するか、最後まで課題だったメニュー。シェフの櫻井さんが前日まで試作をし、当日はふんわりしっとりずっしりの逸品に。
タラのフリッター。シュー生地で包んでいる。急遽増やしたメニューで、タラの骨抜きが予想以上に大変だったと手伝ってくれた友人の弁。
ベーコンとハンバーグ生地を使ったミートボールと、にんじんたっぷりのトマトソース。見た目よりもずっと軽くてヘルシー。これも、ミートボールがゆるくなりすぎない分量、トマトソースが焦げ付かないように液体分を調整するのが最後まで大変だった。
青森地鶏シャモロックを使ったバレンシアのパエリア。本場ではウサギやカタツムリも入れるらしい。価格の高いサフラン、量をおさえていかにきれいに色を出すか。シェフの櫻井さんは、細かく刻んでフライパンの余熱で軽く煎ってからお水に浸けていた。細かい心遣いが本当に素晴らしい。
白ワインは、ガリシア地方のキリッとしたアルバリーニョ
スペインの赤ワインといえば、リオハのレゼルバ
デザートは、お米を牛乳とお砂糖とレモンの皮で煮込んだ アロース・コン・レーチェ
スペインでよく飲まれるカモミールティーと、コーヒー。
スタッフ含め24名分、6品を作る。本番前の準備時間は5時間。イベント前の数日間は、分量確認や手順の確認、役割分担など、スタッフ間でものすごい量のメッセージが行き交った。会場の設営や資料の準備、イベントの進行もある。
サラリーマン時代もこうだった。イベント前はやることが限りなく多くて、準備をやってもやっても終わらない。いろいろなことが心配になって、あれもこれもと準備する。細かすぎるんだろうな、とも思うけど、心配事は事前に消しておいた方が当日心の余裕が持てる、と思って今もやっぱり準備に余念がない。そんな心配性のわたしにつきあった友人たちは、さぞかし大変だっただろうと思う。
無事にお客さまをお迎えし、ワインとお料理を楽しんでいただき、一緒に食卓を囲んだ人たちとつながって楽しい時間を過ごしていただき、ほっとしているし、やってよかったと心から思う。
プロジェクト・マネジメントが大変なのは、人と人がつながってひとつの仕事をするからだ。面倒くさいこともある。でも、自分一人では絶対にできないスケールの大きなことができる。そんなことを改めて実感した夕べだった。一緒にやってくれた、お友だちの櫻井さんと漆崎邦子さん、そしてアカデミア・プラサ・マジョールの佐野恵子さんとベアトリス先生、どうもありがとうございました! とってもとっても楽しかったです。
(ちなみに櫻井さんは、プロではないスーパー一般人シェフ。邦子さんはとても美味しいパンを焼くスポーツウーマン。二人とも凄腕料理人です。 )
当日お手伝いを申し出てくれて助けてくれたお友だちの皆さん、どうもありがとうございました。そしてこのイベントに足を運んでくださった皆さん、心からありがとうございました! わたしもとても楽しかったです。また皆さんとお会いしたいです。
最後の挨拶を、友人が撮影してくれた。自分が話しているのを聞くのは恥ずかしいのでわたしはほとんど聞いていないんだけど、一応リンクを貼っておく。
https://www.facebook.com/hiroshi.nakanishi.9277/videos/1627482844180265/