おたがいさまに、七夕★はっと食堂
「みんなで作ってみんなで食べる」という活動があります。友だち同士、同僚同士のバーベキューやホームパーティなら珍しくありませんが、知らない人同士が町のキッチンスタジオに集まって、一緒に食事を作って一緒に食べるというもの。阿佐ヶ谷で、ほぼ月1回開催されている「おたがいさま食堂」とは、そんな活動です。
友人が参加していたので一度のぞきに行きましたが、知らない同士でも、「これはどうやって作ったんですか」「これ美味しいですよ」と自然に会話がはずみます。
その「おたがいさま食堂」とコラボして、三陸と東北を応援する「七夕★はっと食堂」というイベントを8月10日に開催しました。「はっと」とは、小麦粉を練ったすいとんのようなもので、気仙沼や登米など宮城県北部の家庭料理です。
イベントの最初に、まずこのはっとの作り手である丸光製麺の熊谷敬子さんと、「かに物語」の三浦みゆきさんにお話を伺いました。気仙沼にあった丸光製麺の加工場は、東日本大震災で流されました。山を越えた岩手県一関で再び生産を始めたのが2012年の秋。その間のご苦労について話してくださいました。東京出身の敬子さん、気仙沼にいったときにどれほどカルチャーショックを受けたか、そしてどれほど気仙沼の食に魅了されていったかも伺うことができました。(サメの心臓が美味しい・・・など。)
「かに物語」も東日本大震災を機に生まれたブランドであり商品です。気仙沼を基地として、遠洋漁業に携わっていた会社が、加工場を津波で流されてしまった。残されたのは、漁にでていた船と蟹、そして社員たち。ここから「かに物語」は始まりました。もともとは業務用食品の会社が、消費者向けに商品開発を行って世に出たのが「かに物語」の数々の商品です。石巻の内陸部ご出身の三浦さん、気仙沼に行かれて、やはり海の幸の美味しさに魅了されたそうです。
このあと、ヴァイオリニスト増田太郎さんのライブとトークが続きましたが、その模様は別の投稿でお伝えしたいと思います。
さて、ライブのあとは調理の時間。「おたがいさま食堂」とコラボの「はっと食堂」では、はっととかにのみならず、気仙沼大島の帆立、宮城十三浜のわかめ、陸前高田のお味噌や調味料、岩手一関のビールと日本酒など三陸の食が勢ぞろいしました。
はっととかにのコラボといえば、「かにばっとう」。お味噌汁にはっととかにを入れた家庭料理で、厳密なレシピがあるわけではなく、「はっと食堂」でもワイワイ言いながら醤油仕立て、味噌仕立てのかにばっとうが出来上がりました。出し汁でじゃがいも、にんじん、しめじを茹でて、お豆腐、はっと、かに、仙台の油麩を加え、お味噌やお醤油で味付けをして出来上がり! 家庭料理はそれぞれやり方がちょっとづつ違うから、「はっと食堂」でも入れる順番とかタイミングがちょっとづつ違うのが面白い。こういうのが家庭の味なんでしょうね。
サラダに取り組む調理台では、かにとアボガド、香味野菜、春雨の生春巻きと、かにとわかめのサラダが出来上がりました。アボガドとかにはあいますね! とろける美味しさでした。
ほかにも、豪華冷製はっと、はっとのスープカレー、そしてはっとぜんざいと魅力的なメニューが次々に登場! その模様は次回につづきます。