ごはんが「モチモチ」ってなんだ?

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うるち米、もち米、低アミロース米。「モチモチ」した食感、粘り気。そういうフレーズはよく聞きますが、そもそも「アミロース」って何?

北の玉手箱でも「さんま押し寿司」「さば押し寿司」の商品説明で、「遠野産低アミロース米ゆきおとめは、冷めてもモチモチとして美味しい」とか書いておきながら、大学の授業(ただいま日本獣医生命科学大学の聴講生です)ではたと低アミロース米って一体なんだ?と考え込んでしまいました。

ちょうど糖質(炭水化物)の授業があり、勉強しました。普通のお米(うるち米)では、アミロース(糖の分子・ブドウ糖が直鎖状に結合している)の含有量が多く、長く1本で繋がっている(直鎖状)分子が外れやすいからパラパラしている。一方もち米にはアミロースが含まれておらず、デンプンは分枝構造(ブドウ糖が枝分かれしながら繋がっている)のアミロペクチンで構成されているので分子が絡まりやすく、モチモチした食感になる。

低アミロース米は、アミロースの割合を低く抑えているので、分子が外れづらく、もっちり感が高い。冷めても粘りが強く、冷凍加工にも適しているそうです。

(ただいま勉強中!)

「ゆきおとめ」は岩手県で育成した初の低アミロース米で、普及のために飲食店や加工業者さんとのコラボを模索していたところ、木村商店さんが自社のさんま甘酢漬けと組み合わせて、冷凍寿司を開発したという経緯があります。(ゆきおとめ開発ストーリー・いわてアグリベンチャーネット)http://i-agri.net/agri/?itemid=2514

その押し寿司、東日本大震災でレシピが流されてしまい、震災後に復活した商品の中には残念ながら登場しなかったそうです。でも、ゆきおとめの農家さんが「もう一度やりましょうよ」と言ったことから、木村商店が再び取り組んで復活をとげました。「さんま押し寿司」「さば押し寿司」は、冷凍されていたものを常温で4時間ぐらいかけて解凍するのですが、皆さんそのモチモチ感に驚かれます。作り手の木村トシさん曰く、「ゆきおとめに出会ったから、押し寿司を開発できた」。そんな思いがたくさん詰まった「さんま押し寿司」、ぜひたくさんの方に味わっていただきたいです。

Pressed sushi

ところで、最近よく耳にする「ミルキークイーン」や「ゆめぴりか」は低アミロース米なのですね。うちは「秋田こまち」「はえぬき」(山形)「つや姫」(山形)が多いのですが、ゆめぴりかも試してみようと思います。冷めても美味しいから、お弁当にも向いているそうです。

おまけ。秋田・大館の有名な曲げわっぱ、憧れの気持ちだけは強くて、お弁当の本を読んでいるうちにどうしても欲しくなり、1年ぐらい悩みに悩んでついに先日、二段重ねの曲げわっぱを入手しました。段ボールに隙間なく商品を詰めするのは得意ですが、食べ物は余白たっぷりに盛り付けるのが好み、きっと一段の曲げわっぱだと上手に詰めることができないだろうと二段にしたのです。どんなお弁当を作ろうか楽しみです。