「お取り寄せ」についてかに物語さんから学んだこと

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今日、気仙沼の「かに物語」さんを訪問した。わたしは、お取り寄せの商売では、レシピ(アレンジ)の提案が絶対に必要だと思っているんだけど、それはかに物語さんのウェブサイトから学んだことが大きいかもしれない。

絶品のビスクとクラブケーキ

気仙沼横丁で、大島に渡るまでの空き時間に、偶然かに物語のビスクとクラブケーキに出会った時は本当に驚いたものだ。「仮設店舗の横丁で、フレンチベースの味に出会えるなんて!」と。2年半前は東北ではまだ和風テイストの加工品が多くて、フレンチベースの加工品があるなんて思ってもいなかったのです。東京で暮らす私は、なんだかんだいってフレンチやイタリアンが好きだったし。

とても美味しかったので、気仙沼から帰るときに商品を買って帰り、東京にもどって「かに物語」を検索すると、とっても美味しそうなかにのお料理がずらりと並んでいる。「レシピ」のページがあって、材料や作り方が親切に書いてあって、お料理の写真もとても美味しそう。通販はこういう情報が必須だな、と思ったきっかけだったと思う。

crab cake

実際に「北の玉手箱」でお取り寄せの商売を始めて、当初は「逸品レシピ」というページに「基本の使い方(解凍方法とか温める方法とか)」を載せていたのが、だんだん「こんなアレンジもできます」という方向に進んでいった。ひとつは、北の玉手箱のウェブサイトに季節にあった調理写真を載せるという仕事があったこと。そしてわたし自身の経済観念が大きく転換したことが大きいと思うんだけど、いかにひとつの食材を美味しく大人数で食べる、あるいは複数回使って、食べた人に美味しいね~♪って言ってもらうか」みたいなことをすごく考えるようになった。

ビスクはたくさんのアレンジができる

かに物語さんの商品では、ビスクと生米でリゾットを作ったり、夏場は冷製ビスクをトマトジュースで割って「なんちゃってガスパチョ」にしてみたり。商品を売るという視点で見れば、本来一人前の商品を「ビスク1パック、お米1合で2,3人前できます」とか、「ビスク1パックとトマトジュースで2名分できます」とか言ってしまうので、生産者さんたちにはわるいな~と思いつつも、でもやっぱりこういう使い方はいいよね、と思いながらブログに書いたり「逸品レシピ」を更新したりしていた。

risotto with bisque

今日、かに物語の三浦さんにお会いして、「レシピとても参考になってます。お客さまにも、こういう使い方ができます、と提案しています」と言っていただいてちょっと嬉しくなった。

美味しい素材も、加工・調理しないと食べられない。いかに鮮度を保ち、美味しく食べられて、保存がきくように加工するかが加工業者さんたちの腕の見せ所。そして食卓に出す最終形を、いかに魅力的に親切に提案するか、これは加工業者さんはもちろん、わたしのように最終小売りをしている者の役割だとも思う。

最近思うんだけど、「この商品を使う」とか「これぐらいの予算でやる」とか「できるだけどこの家にもある調味料や材料を使う」みたいな制約をいろいろつけると、すごく一生懸命考えるし、創造力が働くようだ。美味しい商品がいろいろ揃っているのだから、楽しみ方もたくさん見つけて提案していきたいと思う。

三浦みゆきさん_七夕はっと食堂

今回お訪ねしていろいろお話を聞かせていただいた三浦さん。松庵のお店にも来てくれた。これは、昨年8月10日「はっとの日」のイベントに来ていただいたときの様子。